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2014年11月17日

【詳細版】 介護福祉士実務者研修のカリキュラム

ニチイ学館のカリキュラムの例

介護資格学校の最大手のひとつニチイ学館の場合ですと、介護福祉士実務者研修の形式は「自宅学習」(通信)+「通学」。有料のスクールの場合はこの形式が多いです。

受講期間6か月

通学日数については、介護職員基礎研修課程修了者3日医療的ケア講義・演習)、それ以外9日間(内訳は介護過程Ⅲが7日間、医療的ケア演習が2日間)です。

通信と通学で学ぶ内容は、以下のとおりです。

〇通信(自宅学習)

  ・コミュニケーション技術
  ・生活支援技術
  ・認知症の理解
  ・こころとからだのしくみ  など

〇通学(スクーリング)

  ・介護過程III
  ・医療的ケア(講義・演習)


「実技試験」ってどんな感じ?

介護福祉士実務者研修課程を修了すれば、介護福祉士国家試験で実技試験が免除になります。

ですが、そのかわりに介護福祉士実務者研修の授業の中で実技試験(修了試験)が行われます。中には筆記試験があるところもあります。

主要な学校の実技試験等については、当ブログの以下の記事でまとめています。

【主要7校を比較】実技試験の内容は?【介護福祉士実務者研修】


介護福祉士実務者研修のカリキュラム

介護実務者研修のカリキュラム(合計450時間)は次のとおり。

※ 右側の数字は時間数。

〇 人間の尊厳と自立 5
〇 社会の理解Ⅰ 5
〇 社会の理解Ⅱ 30
〇 介護の基本Ⅰ 10
〇 介護の基本Ⅱ 20
〇 コミュニケーション技術 20
〇 生活支援技術Ⅰ 20
〇 生活支援技術Ⅱ 30
〇 介護過程Ⅰ 20
〇 介護過程Ⅱ 25
〇 介護過程Ⅲ(スクーリング) 45
〇 発達と老化の理解Ⅰ 10
〇 発達と老化の理解Ⅱ 20
〇 認知症の理解Ⅰ 10
〇 認知症の理解Ⅱ 20
〇 障害の理解Ⅰ 10
〇 障害の理解Ⅱ 20
〇 こころとからだのしくみⅠ20
〇 こころとからだのしくみⅡ60
〇 医療的ケア 50(※)

※ 「医療的ケア」は講義50時間とは別に演習を修了する必要があります。

下記のリンク先のPDFファイル文書を見ると、介護職員実務者研修カリキュラムだけでなく、初任者研修修了者や、ヘルパー2級修了者、介護職員基礎研修修了者といった資格別にどの科目を受講する必要があるのかが分かります。

(参考)
厚労省のHP:実務者研修における「他研修等の修了認定」の留意点について
  (PDFファイル)


くわしいカリキュラム

介護職員実務者研修のくわしいカリキュラムは以下のとおりです。


〇 人間の尊厳と自立 5

  ・人間の尊厳と自立


〇 社会の理解Ⅰ 5

  ・介護保険制度


〇 社会の理解Ⅱ 30

  ① 生活と福祉
  ② 社会保障制度
  ③ 障害者自立支援制度
  ④ 介護実践に関連する諸制度


〇 介護の基本Ⅰ 10

  ① 介護福祉士制度
  ② 尊厳の保持、自立に向けた介護の考え方と展開
  ③ 介護福祉士の倫理


〇 介護の基本Ⅱ 20

  ① 介護を必要とする人の生活の理解と支援
  ② 介護実践における連携
  ③ 介護における安全の確保とリスクマネジメント
  ④ 介護福祉士の安全


〇 コミュニケーション技術 20

  ① 介護におけるコミュニケーション技術
  ② 介護場面における利用者・家族とのコミュニケーション
  ③ 介護におけるチームのコミュニケーション


〇 生活支援技術Ⅰ 20

  ① 生活支援とICF
  ② ボディメカニクスの活用
  ③ 介護技術の基本(移動・移乗、食事、入浴・清潔保持、排泄、着脱、整容、 口腔清潔、家事援助等)
  ④ 環境整備、福祉用具活用等の視点


〇 生活支援技術Ⅱ 30

  ① 利用者の心身の状況に合わせた介護、福祉用具等の活用、環境整備
    ・移動・移乗
    ・食事
    ・入浴・清潔保持
    ・排泄
    ・着脱、整容、口腔清潔
    ・睡眠
    ・終末期の介護


〇 介護過程Ⅰ 20

  ① 介護過程の基礎的知識
  ② 介護過程の展開
  ③ 介護過程とチームアプローチ


〇 介護過程Ⅱ 25

  ・介護過程の展開の実際
  ① 利用者の状態(障害、要介護度、医療依存度、居住の場、家族の状況等)について事例を設定し、介護過程を展開させる。
  ② 観察のポイント、安全確保・事故防止、家族支援、他機関との連携等についても考察させる。


〇 介護過程Ⅲ(スクーリング) 45

  ① 介護過程の展開の実際
     ・多様な事例を設定し、介護過程を展開させるとともに、知識・技術を総合的に活用した分析力・応用力を評価する。
  ② 介護技術の評価
    ・介護技術の原理原則の修得・実践とともに、知識・技術を総合的に活用した判断力、応用力を評価する。


〇 発達と老化の理解Ⅰ 10

  ① 老化に伴う心の変化と日常生活への影響
  ② 老化に伴うからだの変化と日常生活への影響


〇 発達と老化の理解Ⅱ 20

  ① 人間の成長・発達
  ② 老年期の発達・成熟と心理
  ③ 高齢者に多い症状・疾病等と留意点


〇 認知症の理解Ⅰ 10

  ① 認知症ケアの理念
  ② 認知症による生活障害、心理・行動の特徴
  ③ 認知症の人とのかかわり・支援の基本


〇 認知症の理解Ⅱ 20

  ① 医学的側面から見た認知症の理解
  ② 認知症の人や家族への支援の実際


〇 障害の理解Ⅰ 10

  ① 障害者福祉の理念
  ② 障害による生活障害、心理・行動の特徴
  ③ 障害児者や家族へのかかわり・支援の基本


〇 障害の理解Ⅱ 20

  ① 医学的側面からみた障害の理解
  ② 障害児者への支援の実際


〇 こころとからだのしくみⅠ20

  ・介護に関係した身体の仕組みの基礎的な理解
    (移動・移乗、食事、入浴・清潔保持、排泄、着脱、整容、口腔清潔等)


〇 こころとからだのしくみⅡ60

  ① 人間の心理
  ② 人体の構造と機能
  ③ 身体の仕組み、心理・認知機能等を踏まえた介護におけるアセスメント・観察のポイント、介護・連携等の留意点
    ・移動・移乗
    ・食事
    ・入浴・清潔保持
    ・排泄
    ・着脱、整容、口腔清潔
    ・睡眠
    ・終末期の介護


〇 医療的ケア 50

  ① 医療的ケア実施の基礎
  ② 喀痰吸引(基礎的知識・実施手順)
  ③ 経管栄養(基礎的知識・実施手順)
  ④ 演習


※ 各科目のⅠは基本的事項の学習。Ⅱは応用的事項の学習。

(参考)
厚生労働省の文書(PDFファイル):社会福祉士介護福祉士学校指定規則及び社会福祉に関する科目を定める省令の一部を改正する省令の施行について(介護福祉士学校における医療的ケアの教育及び実務者研修関係)(通知)


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